バローロは、イタリアワインを代表する格付け最⾼位DOCGに認定されている⻑期熟成型の⾚ワインです。イタリアワインを楽しむなら⼀度は飲むべき⾼品質ワインですが、果たしてどのような味わいでどのような魅⼒があるのでしょうか。
イタリアワインの格付けとは
バローロを知るために、まずはイタリアワインの格付けについてざっくりまとめてみましょう。イタリアはワイン法で、「DOCG」を最⾼とする格付け制度を設けています。
1980年に制定されましたが、最上位をDOCG、次いでDOC、IGT、Vinoという格付けを⾏い、輸出などにおいて品質を安定させる政策を採っています。
最も厳しいDOCGには厳正な規定があり、すべてをクリアしたうえで申請するまで10年以上、DOCの認定を維持していなければなりません。
2020年4⽉時点でDOCG認定は76あり、その中の⼀つが今回紹介するバローロです。
バローロとは
バローロは、イタリアワインの王と呼ばれますが、最⾼峰の格付けであるDOCGに認定されることは⼤変な名誉であり、とても難しいことです。
ただ、バローロを⽣産するワイナリーは1,000以上あるため、伝統的な⼿法で醸造するところ以外にも短期熟成を選択するところもあります。
伝統的な⼿法は、30⽇から60⽇のマセレーション(果⽪浸漬)をしたうえで抽出したワインを、⼤樽で4年から8年も熟成させて瓶詰めします。それを実現させるためには、酸とタンニンが⼗分に含まれる強いぶどうの品種が必須ですが、それがネッビオーロです。
ネッビオーロは扱いが難しい品種ですが、希少なバローロはほかの品種を混ぜることなくネッビオーロのみでワインを造ります。
バローロの味わいは?
バローロは、ずっしりとした⾹りとベリー系の優しい⾹りの両⽅を持ち、タンニンの効いたスパイシーな味わいが特徴です。ただ、バローロの中にも⽣産者によって異なる味わいがあり、主に⻄側にあるラ・モッラ村とバローロ村のワインは華やかでエレガント、東側のセッラルンガ・ダルバ村あたりはスパイシーです。
もちろん、伝統的な⼿法を取るか、短期で熟成させる現代スタイルを取るかでも変わりますし、⼤樽ではなく⼩樽のみの⽣産者も増えています。
・バローロの5⼤⽣産地
バローロの産地と⼀⼝に⾔っても、以下の5つに区分されており、個性が⼤きく異なります。
ラ・モッラ村
バローロ村
カスティリオーネ・ファッレット村
モンフォルテ・ダルバ村
セッラルンガ・ダルバ村
各村の⽣産者もさまざまで、それぞれが信念を持って製造にあたっているため、1本1本⼿に取るまで味わいはわからないというのが実際のところでしょう。
まとめ
イタリアワインの代表格に必ず⼊ってくるのがバローロです。ワインの王とも呼ばれる⾼級ワインですが、実際にはバローロのそれぞれのワイナリーがさまざまな信念のもと、独⾃のワインづくりを⼿掛けているため、個性は⼀つひとつ異なります。
もちろん、バローロはイタリアワインの格付け最⾼峰であるDOCGに認定されていますので、品質に信頼がありますし、ネッビオーロ種を味わえることは間違いありません。
どのようなバローロに出会えるのか、実際に⼿に取る楽しみがあるワインです。